Sea Shore Stained Glass

2023.12.31Column

師走  (木組)

人の営みには締めというものが必要な気がして、年の瀬にさしかかると毎年追われるように仕事を納めていきます。

もちろん、人ひとりできることは限られているので、間に合わなかったのもにはその訳を伝えて年のご挨拶とします。

みなさまよいお年をお迎えください。

 

 

秋中頃からは、大工仕事が続きました。

長野県白馬村の家。

春に完成させた基礎の上に、軸組の建前と屋根、外壁までを雪の降る前に終わらせ、外回りを固めることが今回の仕事。

アウェーでの建築は、段取りと地元の職人さんのお手伝いが重要課題であること間違いなし。決まった期間内に収めるにはそれ周到の用意が必要です。 集まってくれた大工さんの手を止めないことが求められます。

 

豪雪地帯での初めての建設は習うことが多い。

凍結震度による基礎コンクリートの埋め込みの深さ、積もった雪に耐えうる屋根構造、屋根雪を屋根に残すか下に落とすか、

外壁のなかに通気孔をつくり湿った空気は軒天井に流れ屋根棟換気に抜けさせるシステム。暖房効率を上げるための分厚い気密外壁断熱。

化粧材には杉の北限産地 北海道南から赤身勝ちの荒材を豪快に縦張りにしました。

 

 

秋の紅葉の中雪降る前の白馬の山々の美しさに包まれて。

 

 

 

 

奄美に戻ると、サウナと水風呂を備えた屋根つきデッキの建築。

 

こちらはホームの地の利を活かして全て現場対応の段取り。

独自の独立布基礎の上に建つ木の軸組は在来の仕口継手を全て手刻みで切り込んだものを組み上げます。

通し柱を礎から直接建て尺の桁を二方から突き挿し込み栓で留める。継手の多くは鎌継手。

日本の伝統工法は金物を一切使わなくとも、それ以上に強固な建物が建てられます。

よりシンプルに、適材適所の少ない材で、より強く、美しく。

日本木造建築の伝統美。

 

 

デッキの上に遠くエストニアから来たバレルサウナと水風呂を設置。

意外に寒い奄美の冬でも気持ちよく心身整えそうです。

 

 

 

 

h,k