Sea Shore Stained Glass

2023.04.18Column

晴明  (富士宮)

三月節
花が咲き、蝶が舞い、空は青く澄み渡り、爽やかな風が吹く頃です。

白馬の里山では例年より早く雪解けが始まり、桜の蕾が膨らんできています。

ここ日本では新たな年度のはじまり、学校に会社、新たなスタートを切る若者達を祝福するように、各地で桜が咲く季節。
みんなに活気を与えます。

この4月は一ヶ月を通して島を離れました。
仕事とプラーベートを兼ねて旅に出ます。
京都・大阪・東京・湘南・軽井沢と毎週末に白馬。
奄美の生活ではまずない長距離移動を当たり前のようにこなすのですが、
その旅の拠点になるのが、静岡県の富士宮にあるガレージです。


色々な案件やガラスの製作がここででき、関東・関西・信越どこに行くのもハブになる場所。
各作品を積み込み取り付けに自ら出向ければ、直接お会いして納品できます。
それは作り手にとって何よりも変えがたい喜びです。


富士宮

富士山がもっとも近い街

僕が生まれて、幼少期から青年期まで育った街です。



富士宮は名のとおり、富士のお宮を中心にできた街です。

富士山本宮浅間大社

富士山の噴火を鎮めた御神徳により崇敬を集め、富士山信仰の広まりと共に全国に祀られた1300余の浅間神社の総本宮。

まさに世界文化遺産となった富士山岳信仰の中心の場所です。

富士登山はお伊勢参りと並ぶほどの江戸時代のトレンドだったそうで
多くの人がまずこの場所でお参りをしてから頂上を目指したとか。

歴代武将の事跡も多数あり、
源頼朝公は、富士山麓において巻狩りを行った際、流鏑馬を奉納。
今でも毎年5月に流鏑馬の行事があります。
武田信玄・勝頼親子は、神領の寄進、社殿の修造などを行いました。
写真の、境内にあるしだれ桜は信玄の寄進とされたものです。
徳川家康公は、関ヶ原の戦いに勝利した御礼として、本殿・拝殿・楼門をはじめ30余棟を造営。
本殿は国指定重要文化財、拝殿・楼門は県指定文化財です。
富士山8合目以上を境内地として寄進しました。

このような由緒ある場所とはいえ、僕の少年期の放課後のプレイグランド。
湧水溢れる手水舎の水で、乾いた喉を潤し、
裏にある湧玉池で小魚を捕まえた子はその日のヒーロー、
日が暮れるまで毎日境内の周り走り回っていました。

ある程度のやんちゃを注意する大人は誰もいなく
自由だったあの頃を尊く思います。
僕らの氏神様は寛大でありました。

h.k