2022.11.06Column
立冬
冬が立つ。
ミーニシ(新北風)が吹き始め、空にはサシバ(渡り鷹)が飛び、海にはヒューヌイ(シイラ)が跳ぶ。
秋が過ぎ去り、北風は次第に強くなり冬がすぐそこに近づいていることに季節の変わり目を感じます。
喜界島。
北大島の東に位置する日の出る島。
ニヌハ(沖縄サバニ)キャプテンとのシーカヤックでの島渡りの試み。
外洋に胸馳せたものの、十月の強い北風に遮られ、断念せざるしかなかった。
でもこの日の喜界島は朝日に照らされ、こっちにおいでと手招いているようだった。
今年は二年ぶりに秋の伝統行事・種下ろしが行われました。
翌年の豊作を祈願するとともに、1年間の締めくくりとして各家庭をまわって踊り浄め、繁栄を祈る行事です。
踊りは八月踊り、男女が歌を掛け合いながら、輪を作って踊ります。
踊りの最後には必ず六調。六調とは三線とチジン太鼓の六調子に合わせて乱舞形式の熱狂的でとても自由な踊り。
集落民だけでなく、そのときに居合わせたゲストも一緒に一晩中飲んで・食べて・踊って楽しみます。
行事をとおして、みんなが集まりコミュニケーションをとることの大切さを痛感します。集落という小さな自治体を大切に運営していくことで、その都度発生する問題も大きくなる前に解決されていく。
綺麗な環境に魅せられた観光ばかりが目立つこの頃ですが、やはりここはみんなの日常生活の現場なんだなぁと強く思います。
八月踊りの踊り方にはもちろん意味があって、畑を耕して種を蒔く仕草だったりします。
温暖な奄美では、この時期に秋・冬野菜の種まきをします。
うちの野菜畑もイノシシ対策をして無事種まきが終わりました。
収穫は田舎生活の大きな楽しみ、お世話をした分だけ自然の恩恵がいただけるでしょう。
そうそう、先日手に入れた奄美の自材・琉球松を製材して大きな姿見のフレームを製作しました。
自由に育った奄美の木を真っ直ぐに直すのにはとても苦労しましたが、アレやコレやと試行錯誤。
これもものつくりの楽しみと言いたいところですが、素直に決まる方がストレスなくいいものです。
ただ、飴色に光る自然木の木目は,変えがたく美しい。
衣食住の衣を支える姿見。
日々の姿勢を糺したり。
h.k