Sea Shore Stained Glass

2022.09.24Column

秋分  (波乗りとサーフボード)

秋のお彼岸

昼と夜が同じ割合になり、この日を境に夜が長く一日の終わりに心落ち着いた時間が過ごせます。

いくつもの低気圧の発生により、風は南から北に変わり朝夕の作業が楽になるのもこの時期。
冬に向かって、庭を綺麗にしたり種を巻く前の畑の準備をしていくのも清々しくできる季節。

 

 

波乗り

僕が奄美に移住した大きな動機は、波に乗ること。
一年を通して波のある奄美ですが、
大きな低気圧や台風が発生するこの時期こそが毎年待ち望む季節です。
遥か沖合で割れる波を求めて海に入ると
そこには壮大な自然の造形美が溢れます。
沖から見る景色もそれは雄大で
大海原と手付かずの原生の浜や山との絶妙はコントラストに心が躍ります。
時折畏怖をも感じるのですが、これらの波との対峙は自分を浄化してくれ自由を与えてもくれます。
それはとても神聖な場所です。

 

 

サーフボード

この時期の大きくて厚くエネルギーに満ち溢れたうねりを伴う波には
それ相応の乗り物を準備します。
求め想像する大きな波にどのような素敵なラインを描くか。
そんなことばかりをオフシーズンにはいつも考え、
それゆえ今年は、去年求めたボトムを抉るようなラインではなく、
ハイラインをキープしやすい板をデザイン模索してみます。

ハルデザインの素直な特性を活かしつつもニュートラルの感覚を得るために前足付近にフラットエリア
最後尾にだけ、コンケーブとフィッシュテール・ツインフィンのコンビネーション。
これで波面への食いつきを良くする感じ。

沖縄の伝統舟サバニのボトム形状からヒントを得たコンセプトを落とし込んでみることで、
無二の板が出来上がります。

冬の妄想を、春に形にし、夏に試し、秋に喜び、改善を模索。

Surf is where you find it.

 

 

h.k